女の子であるために 高木蒼

大学生、似合わないの知ってるけど女の子でいたい。

変人の集まりと言われるところで

変人の巣窟だ

そう思ったのが、一年前

 

やりたい事みつけて、大学に入った

 

少し珍しい学部

少し珍しい学科

そして平凡なサークル

だけど、平凡なのは名前くらいで

仲間はおかしな先輩たち

こんなところで、やっていけるのだろうか

あまりに平凡で趣味のない自分に嫌気がさす

ここでは人に合わせる事なんていらないのだ

そりゃ、全くいらないわけじゃないけど

 

右に行けば奇抜な集団がいる

左に行けば変な遊びに興じる人がいる

前を向けば一人で黙々と怪しげな作業をしていて

後ろを向けば危ない作戦を立てる人がいる

どこもかしこも「変な人」

 

だけど私は安心した

ここなら思い切りくつろげるなぁ

「変な人」も障害も危険思想も

全部認めていい方向へ連れて行ってくれる

社会で騒がれるあの案件も

まじめに考えて笑い飛ばせる

 

だから今じゃ私もこの場所の仲間

また来るんだろうな

自分を「平凡」だと勘違いした1年たちが

まとめてかかってこいい

みんな変人だ

 

ここは変人の巣窟だ